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ミステリの祭典

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島久平名作選
本格ミステリコレクション(河出文庫)伝法義太郎シリーズ(1作は非シリーズ)

作家 島久平
出版日2002年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2022/03/01 09:57登録)
(ネタバレなしです) 島久平(1911-1983)のミステリー短編集は2002年出版の本書が初めてだそうです。タイトルが味も素っ気もありませんが、まずは知名度の低い作家を知ってもらおうとこういうタイトルにしたのかもしれませんね。デビュー作の「街の殺人事件」(1948年)から「三文アリバイ」(1955年)までの18作が収められ、その内17作でシリーズ探偵の伝法義太郎が登場します。20ページに満たないショート・ショートから100ページ近い中編までボリュームも多彩ですが内容的にも思ってた以上に多彩で、ほとんどが本格派推理小説ですが通俗色の濃い作品やハードボイルドタッチの作品もあり、「凶器」(1953年)はジャンル特定に悩みます。私はトリッキーな長編の「硝子の家」(1950年)でこの作者を知ったのでトリックメーカーの印象がありましたが、本書ではプロット重視の作品も多いです。推理の粗い謎解きが多く「犯罪の握手」(1952年)などは本格派としてはすっきり感がありませんけど、ドラマ性を重視するなど個性豊かな作品揃いです。

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