未亡人 トゥッサン警部 |
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作家 | ミシェル・ルブラン |
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出版日 | 1972年01月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | 斎藤警部 | |
(2020/08/30 18:12登録) 行け、コーラ、やるんだ! 。。。。 妻には愛人がいる。夫は社長で妻に暴力を振るう。秘書は妻に恋慕する。妻は夫を殺そうと、車で出掛ける夫のコーヒーポットに睡眠薬を入れた。夫の消息が途絶えた。心配した秘書は或る「社長からの手紙」を持って妻の所へやって来る。妻と愛人は手探りの作戦を練り始める。ところが、夫。。おっと、これ以上のあらすじは書くと殺されます! 結末だけでなく話全体がどんでん返しの連続でギンギンのイカしたローラーコースターサスペンス、最後まで緩む事なくビッチリ充実、こりゃー凄い!! そしてこの激しく皮肉たっぷりのエンドに、エピローグ的ラストパラグラフの寂しい味わいよ。。 “ラジオから流れるありふれた歌謡曲” ってのが気になりまして、ためしに当時(1958年夏~秋)の仏国ヒットチャートを軽く調べてみたら…3月中旬から9月頭までベルギーのコメディ女優Annie Cordyさんの"Hello le soleil brille"なる歌が一位を独走しています(実はこれ、誰もが知ってる超有名曲!)。 9月上旬から翌年1月上旬まで首位を独走したのは米国の双子デュオ Kalin Twinsによる "When"という楽しい指パッチンソング。 遡って2月~3月に掛けて一位に居座ったのは本国フランス(但しイタリア系)のシャンソン歌手、アラン・ドロンとのデュエット(但しドロンは甘い囁きだけ)で有名なDalidaさん"Gondolier"(名曲!ゴールドフィンガーと読まないように)。 尚3月にユーロヴィジョン1958を獲ったのはAndré Claveauさん歌う "Dors, mon amour" なる甘ったるい3拍子バラード。 ほんとはもっと詳しく調べたい所ですが、弾十六さんを気取るのは私には荷が重い。。 ※YouTubeで検索すれば当時の雰囲気味わえるチャンネル色々あります。 ところで、ジュークボックスで流れてた「ザ・ビートルズ」の曲って。。。。1958年といえばTHE BEATLESレコードデビュー(‘62)はおろか、そのバンド名での活動開始(‘60)よりも前、前身のTHE QUARRYMENが初の自主制作レコーディングをした年なんだが。。著者が後に改訂したのか、同名のバンドが先にフランスにいたのか(?)、或いは何らかの誤訳か。。。 で、その「ザ・ビートルズ」の曲の歌詞ってのがまた、そんな歌あったっけ?? って感じなんだけど。。 謎が深過ぎます。 さて、創元推理文庫の登場人物一覧、ちょっとネタバレ入ってないでしょうか(笑)。 それと、この作品に於けるトゥッサン警部(シリーズ探偵)の存在って。。。。鮎川哲也「白の恐怖」における星影龍三のそれすら軽く超えているじゃないか。。。。 |