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ミステリの祭典

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海底密室

作家 三雲岳斗
出版日2000年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2020/01/22 22:39登録)
深海4000メートルに存在する、海底実験施設「バブル」。取材に訪れた鷲見崎遊は、そこで二週間前に、常駐スタッフが不審な死を遂げていたことを知る。自殺としてすでに処理されてしまったひとつの“死”。だが、それはひとつだけでは終わらなかった。連続して発生する怪死事件。完全に密閉された空間の中で、なにが起きているのか。携帯情報デバイスに宿る仮想人格とともに、事件の推理に乗りだす遊だったが…。『M.G.H.』で第1回日本SF新人賞を受賞した新鋭がおくる、本格SFミステリー第二弾。
『BOOK』データベースより。

最終章、つまり解決編7点、それ以外3点で均して5点ですかね。いかにも本格を書き慣れていない作家が書いた本格ミステリって感じがします。
余計な描写が多々見られるし、主人公以外登場人物が十人くらいですが、二人を除いて誰が誰だか判別できないほど。まるで人形に台詞を喋らせている印象で、はっきり言って少々退屈です。密室トリックも禁じ手ですし、素人でも理解できるように図解でもしてくれと思いますね。ただ、真相だけはなかなか良く考えられています。

本格ミステリと言っても、伏線を丹念に張って回収しロジックで解決に導くというものではなく、奇想や意外性を重んじるタイプです。『少女ノイズ』は面白かったんですけどねえ、どうしたんでしょう。構想自体は見るべきものがあったと思いますが、文章に面白味がなかったのと冗長さが致命的でしたね。

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