home

ミステリの祭典

login
殉教者は月に舞う
十二宮探偵シリーズ

作家 藤木稟
出版日2005年04月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 羊太郎次郎吉
(2017/03/18 07:06登録)
朱雀十五の『曾孫』息子2人と柏木の『孫』娘が主人公の近未来ミステリーシリーズ。ただし最後に出版されたのが10年前なので、舞台設定が2007年から見た近未来(つまり現在)なのか2017年現在から見ても近未来なのかは不明。
朱雀の曾孫である超美形の十八&十夜の兄弟が、柏木の孫娘であり刑事であるサクラに助言しながら事件が解決されていく…というストーリー。藤木稟さんには珍しい女性向けハーレムものなのだが、女性向けハーレムものには必須であるヒロインへの自己投影のしやすさが全くもって欠けているので読んでいて不愉快だった。
なにしろヒロインであるサクラが美人で幼馴染という以外に美形兄弟の十八&十夜に気に入られる要素が全然ないのである。悪い人ではないのだが、社会人でしかも警察官なのに言動が子供っぽい。おまけに25歳にもなるのに異性への態度や恋愛観が小中学生並みで、明らかに自分に気のある十夜の行動も幼馴染ゆえの行為としか受け取らないイライラするほど鈍感な女。恋愛に対して鈍感なのが可愛いのは18歳までだよ!25歳でこの路線はキツすぎる。

それにしても朱雀十五の『曾孫』と柏木の『孫』が同世代ってどういうこと?一応作中ではサクラの祖母と十八&十夜の曽祖父が義理の兄妹だった、とあるのだが十五と律子は10歳くらいしか歳が離れていないはず。律子が超高齢出産をしたのか?それとも十五が律子以外にもう1人親子くらい年の離れた少女を義理の妹にして、その娘が大きくなって柏木洋介と結婚したのか?私は律子が嫌いなのでその方がいいのだけど…藤木稟さんは律子のことを気に入っているようなのでそれは無理か。

1レコード表示中です 書評