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ミステリの祭典

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二島縁起

作家 多島斗志之
出版日1995年10月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 8点 makomako
(2010/03/26 21:50登録)
はじめは海洋冒険小説のようだが途中から推理小説の様相となる。冒険小説としても本格物としても中途半端ともなりかねないのだが、それがバランスよく進行するためなかなか興味深く楽しい。舞台となった島に行ってみたくなる素敵な小説。作者が行方をくらましたようなことが新聞に出ていたがその後どうなったのだろうか。ぜひ復帰してこんな小説を読ましていただきたいものだが。

No.1 7点 こう
(2009/01/20 23:52登録)
 海上タクシー<ガル3号>備忘録 という短編小説の続編長編です。
 瀬戸内海で海上タクシーで生活している中年男性寺田が主人公で助手の若い女性弓とタクシー営業をしている、という設定です。
 一種冒険小説、ハードボイルド(私立探偵物)の要素があり非常に面白いです。
 5つの島々をまわって数人ずつタクシーで客を拾って合計25人を拾ってほしい。目的地は全員拾うまで秘密、という依頼を引き受けることから始まり二つの島の対立などが顕在化してきて、その後殺人事件が起こりというストーリーです。
 島の風習が殺人動機に関わってくるのですが真相が明らかになる前に伏線というか説明がしっかりしています。
 この作品は中年男性のかっこよさもでておりしかも男性の共感が得られやすい作品だと思います。
 多島作品は登場人物の造形が丁寧でどの作品もお薦めできる作家です。

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