チャイナタウン リディア・チン&ビル・スミス |
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作家 | S・J・ローザン |
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出版日 | 1997年11月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 7点 | 空 | |
(2021/01/17 23:39登録) 1994年に発表されたリディア・チン&ビル・スミスのシリーズ長編第1作。英語版Wikipediaによれば、以前にもこの2人の探偵の短編はいくつか発表されていたそうです。 本作段階では、リディアは28歳、私立探偵稼業を始めて6年ということで、かなりキャリアも積んできています。にもかかわらず、彼女は感情を隠しておくことができず、人がかけている電話の内容を知りたくて、「思わず足を踏み鳴らした」りするのです。リディア一人称の作品は、ビル視点作品ほどハードボイルドでないという説は、事件云々より、感情を表に出さないハードボイルド探偵らしくないところに由来しているように思えます。実際ストーリー自体は美術館に寄贈された中国磁器の盗難に中国ギャングが絡んできて、いかにもハードボイルドな感じです。 原題は "China Trade" ですから、直訳はむしろ「磁器の取引」でしょうね。 |
No.1 | 7点 | mini | |
(2008/12/28 11:38登録) 旧正月を迎えて賑わうニューヨークのチャイナタウン 私営美術館からの陶磁器盗難の調査を依頼された中国系の女私立探偵リディア・チンと大柄な白人ビルのコンビが事件を追うがまたもや事件が 原題にある”china”は陶磁器の方の意味も含む 今年の『このミステリーがすごい!』でローザンの「冬そして夜」がランクインしてたけど、いくらシリーズ最高傑作との評判とは言え、この手のシリーズものは不利だと思っていたのでこのミス偉いな ローザンは初めて読んでみたけど、これは良い 女私立探偵ものの中でもキャラが魅力的で、リディアとビルの掛け合い漫才的な会話が最高 クリスマス後の旧正月を前にしたチャイナタウンの風物・喧騒もほどよく織り込まれ、作者が生まれ育ったニューヨークの街が魅力的に描かれている いやーこのシリーズは自分のお気に入りになりそうだ |