home

ミステリの祭典

login
エイドリアン・メッセンジャーのリスト
ゲスリン大佐/旧題『ゲスリン最後の事件』

作家 フィリップ・マクドナルド
出版日1983年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 斎藤警部
(2018/11/07 12:57登録)
旧題「ゲスリン最後の事件」。今は改題済みと言え「最後の事件」でっせ、旦那お好きじゃないですか、「最後の事件」。

ユーモアと友情、得体の知れないサスペンスに奇妙な形の謎。 50年代末作という仄めかしもあり、これまさかスパイ物。。。かと思わすような大規模事件(事故?)発生。そこで命を落とした名士メッセンジャーが遺したリストには共通性の見当たらない人名(職業/居住地付き)が十も羅列。。。 こいつらは誰たちなんだ? 殺されるのか? 死んでるのか? 着実に展開する捜査模様に魅力あり。 ムスー 笑 ムスワー 笑々 あのカナダ人のオマンコ野郎 笑々々 くすぐりがいっぱいあってほんと笑っちゃったりあきれたり。 ルコックってww

創元推理文庫解説の瀬戸川氏も書いてらっしゃる通り、本格ミステリ黄金時代にデビューし、ハリウッドでの長い脚本家生活を経、久方ぶりに往年の名探偵を再登場させた(1959年)PMならではのパロディ趣向全開、カラフルで馬鹿らしくて愉しい物語です! 断固、本格ミステリではありませんな!!
  
最後にもっかい言うときます。「最後の事件」でっせ。。(しつ恋) 

No.1 4点 こう
(2008/12/09 22:52登録)
 書き出しは非常に魅力的です。作家エイドリアン・メッセンジャーが飛行機事故で死亡する。彼が生前残していたメモにはそれぞれつながりがないように見える10人の名前のリストとなっていたが警察が照会するとほとんどの人間が死んでおりまたエイドリアン・メッセンジャーも殺された可能性が出てきた、という内容で所謂ミッシングリンクものです。
 解説でも触れられていますが普通だったらなぜこの10人がつながっているのか、真犯人は、動機は、という所がメインとなるのですがはっきりいってばからしいの一言です。
 解説の瀬戸川猛資は「本格ミステリパロディ」と評価していますがこれが「迷路」や「鑢」を書いたフィリップマクドナルドか、と言える内容でした。
 邦訳作品は比較的本格色が高い作品が選ばれていますが未訳作品はアイデアは面白くても趣向倒れの作品が多いようです。
 とにかく死人も多すぎで他のゲスリンものと比較しての「パロディ」というのも全体的にわかるところもありますが日本人には恐らく笑えない作品でしょう。
 発端というかアイデアは面白そうなのにもったいない作品でした。

2レコード表示中です 書評