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ミステリの祭典

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時のかたみ
フィンチ警部

作家 ジューン・トムスン
出版日1995年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/09/01 10:07登録)
ホームズのパスティーシュのみが知られている作家のようで、本サイトだけでなくAmazonでも、現在レビューがあるのは贋作ホームズだけです。さらに20冊ほどの長編のうち邦訳があるのは2冊のみ。
では、長編には見るべきものがないのかと言うと、そうでもありません。確かにマニアを喜ばせるようなトリックや論理はありませんし、サスペンスに富んでいるわけでもありません。実際のところ、メインの二つの「病死」が起こった時点で、隠された秘密の予測は簡単についてしまいました。平凡なアイディアなので、何かひねりを加えてくるのかと疑ったのですが、そんなこともなく、ただ法律の規程に基づいた動機がわからなかっただけでした。それにもかかわらず、小説としては読んでいて気持ちのいい作品で、結末もかなり満足できるものになっているのです。特に最初に出て来るお婆さんがいい味を出していました。

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