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ミステリの祭典

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五時の稲妻
現代史もの

作家 ウィリアム・L・デアンドリア
出版日1984年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2019/10/11 22:51登録)
瀬戸川猛資氏の巻末解説によればデアンドリアの「現代史もの」のひとつです。時代設定は発表の約30年前の1953年。著者まえがきには、「大半の登場人物はまったくの虚構である」と書かれていますが、それは実在の人物も少しは登場するということであり、実際にセリフなどもある人物は、ヤンキースのミッキー・マントルです。ただメジャー・リーグについては知識のない自分としては、この選手のことも全然知らなかったのですが。その名選手が命を狙われることになるというのも主筋に一つになっています。その動機というのが、当時のマッカーシズムとも関連するとんでもなく乱暴なもの。
謎解きの意外性を重視する作家らしく、最後には鮮やかにトリックを解明していますし、その後の決着の付け方は作者の敬愛するクイーンの某作品なども連想させます。しかし犯人側の視点も所々に取り入れた作品構成全体はいまひとつでした。

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