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ミステリの祭典

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惜別の賦

作家 ロバート・ゴダード
出版日1999年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2018/05/05 12:05登録)
「今日」「昨日」「明日」の3部からなると言っても、「今日」はプロローグ、「明日」はエピローグで、大部分は「昨日」。ただし1日前の意味ではなく、10数年前の1981年とさらに過去の1947年を一人称形式でほぼ交互に描いていく構成です。
読み始めてしばらくは、トマス・H・クックに似た構造かなとも思っていたのですが、後半は全く違っていました。「わたし」が悔恨を感じている1947年の事件の真相はありきたりです。死刑になっても守りたかった秘密は意外と言えなくもありませんが、説得力は今一つ。その1981年の時点から見て過去の事件の全貌が明らかになるまでが長すぎる感じがします。まあその間にも新たな事件が起こっていて、「昨日」の最後3割近くはその過去に起因する新たな事件の展開だけになります。この部分はサスペンスが効いて展開の意外性もあり、おもしろくなります。しかし「明日」は結局それで?って感じでした。

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