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ミステリの祭典

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カリブの鎮魂歌

作家 ブリジット・オベール
出版日1999年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2018/01/16 22:48登録)
1作ごとに様々なジャンルを試みる(少なくとも6作目までは)オベールの5作目は、タフな中年私立探偵ダグ・ルロワがカリブ海の島々を飛び回って活躍するハードボイルドです。三人称形式ですが、ほとんどダグの視点から書かれているので、コンチネンタル・オプのパターンを踏襲して一人称形式でもかまわなかったのではないかとは思えます。また最後の方は冒険小説といった方がいいくらい派手な展開も見せてくれます。
カリブ海域の地理はほとんど知らなかったので、読んだついでに調べてみると、特に事件の中心となる「グアドループ島の北西約五十キロメートルのところに位置」するサント=マリー島は架空の島ですね。
サイコな感じの連続殺人をテーマにして、灰汁の強い登場人物たちを揃え、意外性にもあれこれ工夫を凝らしたところはこの作家らしく、軽快な筆致で楽しませてくれました。

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