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ミステリの祭典

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龍の議定書
改題「「移情閣」ゲーム」

作家 多島斗志之
出版日1985年09月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 6点 パメル
(2016/10/24 13:22登録)
国際謀略サスペンス
中国の鄧小平と台湾の蒋経国を握手させるというスケールの大きな設定
中国と台湾の接点として孫文を使い孫文ブームを巻き起こし実現させようと
計画を練っていく
ところが次々と怪事件が発生し思いがけない陰謀が隠されていることが判明する
物語は二転三転しどんでん返しも用意されている
ただ孫文の人物像や辛亥革命を成功に導いたことなどが延々と語られ
物語がなかなか進まない点が減点材料

No.1 9点 こう
(2008/11/25 22:46登録)
 多島斗志之の処女長編ですが全く流行と一線を画した題材でこの作者らしさがいきなり全開の作品です。
 大手広告代理店部長塔原が「日本で孫文キャンペーンを起こしそれをきっかけに神戸移情閣で中国鄧小平と台湾蒋経国(蒋介石の息子)を会談、握手させる」ことのプロデュースの依頼を受けるところからストーリーが始まります。
 依頼者の女性秘書、塔原の口利きでプロダクションに入った紺野、塔原の娘ゆかりなどがメインキャラクターですが更にはKGB、アメリカ(おそらくCIA)も交えてストーリーは大きく展開してゆきます。
 塔原たちのプランニング、キャンペーンの本当の狙い、そしてラストと本当に読み応えのある作品でした。プロットは良く考えられております。
 難点は過去の海外の謀略スリラー同様時間が立ちすぎてしまい情勢が変わっていることですがそもそもリアルタイムでも日本人の興味をひかなさそうな内容ではありますしその点が気にならなければ大きな瑕はないと思います。構成はしっかりしているので多島斗志之を読んだことがない方には一読をお薦めしたいです。どの作品もあまり面白そうな題材の作品は稀ですが「面白い」と思います。 

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