home

ミステリの祭典

login
シャーロック・ホームズのクロニクル
ホームズのパスティーシュ

作家 ジューン・トムスン
出版日1993年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/07/25 01:44登録)
(ネタバレなしです) 「正調贋作」と何とも不思議な紹介をされている1992年発表のホームズ・パスティシュシリーズ第2短編集で、ミュージックホールの楽屋で起こった密室殺人の「ハマースミスの怪人」、英国政府を脅迫する凶悪犯パイド・パイパーを追い詰める「スマトラの大鼠」など7作品を収録いています。時代描写だけでなく作品自体の出来栄えもいかにもコナン・ドイルが書きそうなミステリーに仕上げられていますが、そのためか純粋な謎解きを期待するとやや肩透かしかもしれません。中では「キャンバウェルの毒殺事件」が1番本格派推理小説らしいと思いますが犯人の意外性は全くといっていいほどありませんし、「ハマースミスの怪人」のトリックも感心するようなものではありません。むしろ印象に残るのは「ハーレー街の医師」でのユーモア溢れる締めくくりとか、「スマトラの大鼠」でワトスンの頭の冴えにホームズが驚く場面などで、雰囲気を楽しむべき作品だと思います。

1レコード表示中です 書評