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ミステリの祭典

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日本探偵小説全集(6)小栗虫太郎集

作家 小栗虫太郎
出版日1987年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/12/07 12:42登録)
『黒死館殺人事件』と中短編4編が発表順に収録されています。この長編を現在紙の書籍で読もうとしたら、本書が最も手に入れやすいんでしょうね。『黒死館』は単体で書評済みなので、他の作品について。
「新青年」に発表されて評判になった『完全犯罪』は80ページほどの中編。中国で起こった密室殺人事件で、日本人は一人も登場しないというのが、当時としてはまず驚くべきことだったでしょう。オルガンで演奏されるのがバッハ等でなくマーラーの「子供の死の歌」(「亡き子をしのぶ歌」)というのがまたペダンチックです。
『後光殺人事件』からは『黒死館』の法水麟太郎が登場します。この作品までは、一般のミステリに比べれば飛躍はあるものの、まだ通常の論理枠内として許容できます。しかし、『聖アレキセイ寺院の惨劇』になるともう現実味を放棄したトリック。さらに『黒死館』後の『オフェリヤ殺し』に至っては、何が何だかの小栗ワールドでした。

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