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ミステリの祭典

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聖悪魔
探偵クラブ(国書刊行会)

作家 渡辺啓助
出版日1992年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2020/01/18 22:57登録)
表題作等戦前の小説8編、詩2編、戦後の小説4編を収録しています。
戦前の作品は、大雑把に言えば犯罪要素を加味した異常心理小説と言っていいでしょう。中にはそうと思わせておいて最後に軽くひっくり返すものも2編ありますが、そのうち1編はひっくり返った状況もまた、それまでほどではなくても異常なものになっています。また、『血蝙蝠』と『タンタラスの呪い血』は、謎解きミステリ的な意外性も持った作品です。8編どれも不気味と言うか狂気めいた雰囲気が印象に残ります。
戦後の作品は、戦前の作品にもそういうものが多かったのですが、本書に収録された4編はすべて海外が舞台になっています。ストーリーについては、登場人物の異常さは薄らいで、より普通の犯罪が描かれています。なお、最後の『吸血鬼(ヴァムピロ)一泊』はタイトルにもかかわらずミステリでもホラーでもありません。

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