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ミステリの祭典

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虚像淫楽(角川文庫版)

作家 山田風太郎
出版日2010年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2024/09/08 22:12登録)
性的倒錯の極致がミステリーとして昇華された初期短編の傑作「虚像淫楽」。「眼中の悪魔」とあわせて探偵作家クラブ賞を受賞した表題作を軸に、傑作ミステリ短編を集めた決定版。
Amazon内容紹介より。

これまで書評がなかった事に驚いています。これは一体どうした訳なのでしょう。単なる偶然なのか、それとも。
さて本短編集、全体的に滑り出しは、これから何かが起こりそうな予感がしてワクワクさせてくれますが、結局真相はありきたりで、驚くようなものではありません。トリックもどんでん返しも色々用意されていますが、カタルシスは得られませんでした。相変わらず医学的な見地からのアプローチは流石だと思います。

最後の『黄色い下宿人』がホームズのパスティッシュで面白いです。ホームズとある日本人との邂逅が最後に明かされ、ああそうだったんだというささやかな衝撃に襲われました。それに既読の『蝋人』は別格です。
他は出来不出来の差こそあれ、ややこしくて解りづらいのが難点かと思われます。が、もっと読解力のある人が読めばもっと高得点が得られた可能性は否定できませんね。

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