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ミステリの祭典

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弟切草
「弟切草」シリーズ

作家 長坂秀佳
出版日1999年04月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2020/02/15 22:45登録)
弟切草…その花言葉は『復讐』。ゲームデザイナーの公平は、恋人奈美とのドライブで山中、事故に遭う。二人がやっとたどり着いたのは、弟切草が咲き乱れる洋館だった。「まるで俺が創ったゲームそのものだ!」愕然とする公平。そして、それは惨劇の幕開けだった…。PlayStation版話題のゲームを乱歩賞作家の原作者がオリジナル小説化。
『BOOK』データベースより。

序盤で紹介される主役の二人の過去に問題あり過ぎ。なので、それがどう物語に影響を及ぼすのかに興味が湧いてくるのは確かです。やはりと言うべきか当然と言うべきか、それが数々の怪異の謎を解くカギになっていますね。
二人が迷って辿り着いた館に足を踏み入れて以降、終盤に至るまではゲーム感覚と言うよりお化け屋敷に入ってキャーキャー騒いでいるようなものです。現象だけ見れば小谷里歩(三秋里歩)でなくても腰を抜かすほど悍ましいですが、全然怖くないのは文章が下手なせいでしょうかね。一時的に危機を脱してもまだまだ命が危険に晒される場面で、一々キスをするってあり得ないと思いますが。

最終章でミステリ的趣向に突入しますが、最早どうでも良くなっている自分がいました。謎解きは専らそれぞれの過去の過ちに終始し、●●トリックに逃げている感があり、あまり好ましいものではありませんでした。まあこれを読んで喜ぶのは余程プレステのゲームにハマった人だけじゃないですか。ご都合主義や偶然性が色濃く見られるし、人間関係が無駄に複雑すぎと云う気もします。
作者によれば飽くまでオリジナルとの事ですが、小説としてホラーとして褒められるべき作品ではないと思いますね。

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