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ミステリの祭典

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グルジェフの残影

作家 小森健太朗
出版日2006年07月
平均点1.00点
書評数1人

No.1 1点 Tetchy
(2009/02/01 19:11登録)
『神の子の密室』がイエス・キリストの復活の真相を探るミステリであったように、ロシアの神秘思想家ゲオルギイ・グルジェフの正体と彼と親交の深かった哲学者ピョートル・ウスペンスキーの関係を探る歴史ミステリだ。
しかし本作では作者もあとがきで自戒しているように、かなり自身の趣味に走りすぎて、果たしてこれはミステリなのか?と首を傾げざるを得ない。
物語もようやく終盤になって殺人事件が起きるが、これが本当に取って付けたかのような事件で、物語に溶け込んでいない。

とにかく彼ら2人の哲学論議が終始物語を覆いつくしており、読者もそれなりの覚悟が強いられる。
さらに驚くのは本作は文藝春秋の「本格ミステリーマスターズ」叢書の1冊として刊行されたことである。これほどまでにエンタテインメント性を排した作品をこのシリーズで刊行した同社の担当者は商業性やシリーズの特性を全く無視して刊行したのではないかと勘ぐらざるを得ない。

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