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ミステリの祭典

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柳園の壺
ディー判事

作家 ロバート・ファン・ヒューリック
出版日2005年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/08/14 01:24登録)
(ネタバレなしです) 1965年発表のディー判事シリーズ第10作の本格派推理小説です。「紅楼の悪夢」(1961年)でもせっかくの密室を謎の中心にしなかったように、本書では見立て殺人風な要素がありますがそれをことさら謎として盛り上げるような展開にはなっていません。とはいっても謎解きの伏線はちゃんと用意されているし、歴史ミステリーとしての時代風俗描写は丁寧だし、今回はディー判事だけでなく部下たちにも活躍の場を与えているなど内容は充実しています。疫病が蔓延し腐敗と死の都と化した新任地という陰鬱で暗い舞台にも関わらず後味がいいのも特徴です(人によっては結末の付け方に独善的なものを感じるかもしれませんが)。

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