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ミステリの祭典

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恐怖のブロードウェイ
記者バート・ハーディン

作家 デイヴィッド・アリグザンダー
出版日1958年01月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 kanamori
(2014/01/21 18:26登録)
しばらく鳴りを潜めていた連続切り裂き魔”ウォルドウ”から地元新聞社に犯行予告の手紙が届き、マンションで女性の変死体が発見される。新聞社の主筆ハーディンは、ロマノ警部の捜査とは別に謎の殺人鬼を追うが------。

芸能スポーツ専門の新聞社「ブロードウェイ・タイムズ」の編集長バート・ハーディンを主人公とするシリーズ第1作。
設定は、ニューヨークのブロードウェイを舞台にした「シリアル・キラーVS新聞記者」という構図のサイコサスペンスですが、あるトリックとともに、犯人を特定する手掛かりもキッチリと用意されたフーダニットもので、本格ミステリ志向の強い作品です。ネタバレぎみですが、全体の構図自体をミスディレクションにしているところは感心しました。もっとも、現代の観点ではアンフェア認定される描写があるのですが、’50年代という発表時期を考慮すればギリギリセーフでしょうか。
また、登場人物の脇役の多くが過去に生き、酒や賭博に溺れる人生の落伍者や娼婦・ショウガールらで、ブロードウェイの華やかさではなく、ラストの苦い結末を頂点にして全編にただよう哀愁感がいいです。

No.1 8点 こう
(2008/11/09 22:54登録)
 ブロードウェイの世界を舞台としたリッパー物で切り裂きジャックをモチーフとしていると思われる作品です。
 所謂サイコサスペンス、リッパーものの先駆的作品でサスペンス一辺倒と思いきや犯人指摘の手がかりや最後の展開などは本格的要素がしっかりしており面白かったです。古い作品で描写も第二次大戦後の風俗なので古めかしさはありますが面白かったです。

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