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ミステリの祭典

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人麻呂の悲劇
「人麻呂・赤人同一人説」殺人事件 壮&美緒

作家 深谷忠記
出版日1991年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2026/03/05 15:15登録)
光文社文庫版では上下2巻に分れた、全体で約600ページもある大作です。万葉集の代表歌人である柿本人麻呂と山部赤人とが同一人物だという説を唱える作家の執筆した作中作(評論)と実際に起きる殺人事件捜査とを交互に配していく構成で、作中作の分量が半分近くあります。本作のメインはこの歴史考察ミステリの方だと言っていいでしょう。時代が古いので参考文書もほとんどなく、万葉集の歌の解釈を中心に、解説者とその聞き手との鼎談という形で考察は進められます。
一方実際の殺人事件の方は、24年前遺書を残して失踪した作家(遺体が見つからず、自殺したのかどうか疑わしい)の事件の真相が動機として関わって来るもので、過去の事件の全貌が明らかになった時点で現在の殺人犯人もわかります。この作家なので、さらにアリバイ崩しもあるかと思っていたら、あっさり自白して終わってしまいました。

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