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ミステリの祭典

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能登・金沢30秒の逆転
壮&美緒

作家 深谷忠記
出版日1995年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2018/11/22 19:19登録)
カバー(カッパ・ノベルズ版)の鮎川哲也による推薦文で「北陸一帯の描写は克明をきわめ、読者のみは書斎にありながら、現地に身をおいているような錯覚を生じる」と書かれていますが、それは荘&美緒シリーズでは毎度のことで、個人的にはトラベル・ミステリらしい作品を読みたいならまずこの作者と思っています。
一方作者自身は「二作ほどトリッキィーな小説から離れていたら、無性にアリバイ崩しが書きたくなった」と言っているだけあって、トリックの発想はなかなかのものです。実際の地方を舞台にしたトラベル・ミステリだからこそのアイディアとも言えますし、逆にその「らしさ」が盲点になっているとも言えます。特に難しいわけではないのに気づかなかったなあ。
フーダニットの要素も入れ、半ばで意外な容疑者が浮上する構成にもなっていて、楽しめました。

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