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ミステリの祭典

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札幌・仙台48秒の逆転
壮&美緒

作家 深谷忠記
出版日1987年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2016/11/08 22:19登録)
壮と美緒のシリーズでも初期のものだからでしょうか、後年ほど旅情たっぷりなトラベル・ミステリという感じではありません。タイトルにもかかわらず、むしろ函館の方が多少紹介されているぐらいで、特に仙台はほとんど通過するだけです。
カッパ・ノヴェルズ版の巻末解説や、森村誠一による紹介文ではアリバイ・トリックを褒めていますが、個人的にはむしろプロローグと殺人事件の関連性に関するアイディアの方に感心しました。どこかで結び付くことだけは最初からにおわせているのですが、自動車の扱いと絡めて、うまくまとめられています。その部分解明以前の勝部長刑事たちの捜査過程もなかなかのものです。
アリバイはというとかなり複雑なことをしていて、細かい部分では作中で壮も言っているように他にいくつか方法がありそうなのですが、中心アイディアとなっているある道具の意外な使い方がすっきりできています。

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