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ミステリの祭典

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指宿・桜島殺人ライン
壮&美緒

作家 深谷忠記
出版日1989年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2016/05/18 23:51登録)
旅行気分を味わわせてくれる殺人ライン・シリーズですが、今回の旅先は鹿児島県です。指宿についても並みのトラベル・ミステリ程度の紹介はしてくれますが、むしろ霧島の方について、じっくり描かれています。何しろ今回壮と美緒が鹿児島県を訪れるのは、流行作家のための取材(ビデオ撮影)旅行なのですから、この設定だといくらでも名所および穴場案内ができます。
ただし、最初に起こる殺人は奥多摩で、被害者の経歴や事件前の行動から、動機は鹿児島にあるのではないかとの推測から、警察の捜査は霧島で起こった過去の殺人事件に目を付けることになります。過去と現在の殺人事件、さらに壮と美緒が東京で目撃した出来事が全体としてどうつながってくるのかというところが、ミステリとしては見どころということになります。アリバイの扱いもHowではなくWhyが中心で、意外性はあまりありませんが、それなりに楽しめました。

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