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ミステリの祭典

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萩・津和野殺人ライン
壮&美緒

作家 深谷忠記
出版日1992年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2017/06/05 22:54登録)
荘&美緒シリーズの1冊ですが、今回は意外な設定を見せてくれ、さらに結末も謎解き的な意味でではなく、この作者としては意外なものでした。
光文社文庫版の巻末解説では、「本書で初めて荘の素顔が読者の前に晒され」、「荘と美緒の「婚約」が正式なものとして確認される」という意味でシリーズ中の異色作であるとしています。しかし異色ぶりはむしろ事件の内容でしょう。荘の実家がある萩で事件は起き、彼の親戚が事件に巻き込まれるのです。身内の人たちが、単に容疑者になるなんて程度ではなく、間違いなく事件と何らかの係わりを持っていることは明らかなので、いつもは明晰な「考える人」の荘も、推理の結果に苦慮することになります。
真相の大まかなところは早い段階で見当がついてしまったのですが、話の骨格はロス・マクドナルドにも近いと思えるような深刻なものでした。

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