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ミステリの祭典

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われらが父たちの掟
キンドル郡サーガ

作家 スコット・トゥロー
出版日1997年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 Tetchy
(2008/11/04 23:29登録)
本作の主題は裁判そのものになく、起きた事件そのものは過去友人同士だった者たちが再び邂逅する単なる舞台設定に過ぎない(とは云え、裁判の丁々発止のやり取りが非常に面白いのも事実。本作が星3つなのはそこに起因する)。
筆者の焦点は世代間の軋轢と異人種であることのアイデンティティの模索にあると云える。

ただ扱う材料1つ1つが濃密で読者に疲労を強いるのは確か。
しかも今回のような中年世代を描いた世代小説はまだ私自身には早すぎたようだ。
本作に豊富に盛り込まれた心理描写、特に子が親を思う気持ち、親が子を思う気持ちなどは同世代には切実に響くものであろうが若輩の身にとってはまだ頭で判っても心では実感できない代物でそれもまた残念だった。

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