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ミステリの祭典

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ピアニストを撃て

作家 デイヴィッド・グーディス
出版日2004年05月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2012/04/30 11:03登録)
邦題は、フランソワ・トリュフォー監督による映画タイトルの直訳です。むしろ私小説的な映画が高く評価されている監督で、実際昔見た映画版はさほど感心せず、ほとんど記憶にも残っていませんでした。ただ本作の解説にも書かれているように、確かにトリュフォーにしてはゴダールにも近い即興的演出があったかなという気はします。
で、今回初めて原作を読んでみたわけですが、ヌーヴェル・ヴァーグ風の乾いたそっけない演出(それは確かにハードボイルドやノワールと合いそうなのですが)とは違う、内面的な虚無感を漂わせた作品だと思いました。場末の酒場のピアニストである主人公エディの痛切な心情が、独白的な文章でたっぷりと描かれています。
エディに思いを寄せるどう見ても愚かなウェイトレスも、結局はうまく配されていて、だからこそのラスト・シーンの音楽の切なさには、何とも言えない魅力があります。

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