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ミステリの祭典

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地上より賭場に
主婦探偵ジェーン

作家 ジル・チャーチル
出版日1997年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/01/24 10:18登録)
主婦探偵シリーズ、第6弾。
タイトルの「地上より賭場に」(ここよりとばに)は、映画「地上より永遠に」(ここよりとわに、“From Here to Eternity”)をもじったもの。翻訳者は原題“From Here to Paternity”の“Paternity”を無視したが、これでも問題はない。

内容は、子持ち主婦ジェーンが、子どもや恋人、友人家族と訪れた山奥のスキー・リゾートで連続殺人事件に遭遇し、解決するというもの。
ロシア皇帝の末裔やアメリカ先住民が登場し、その民俗的背景も絡んでくる。
後半、そんな背景をもとにジェーンたちは聞き込みをしながら推理が発展していき、本格ミステリーとして楽しめる。際立ったトリックはないが、謎解きの決め手と真相はなかなか面白い。
2冊目だが、ワンポイントで決める作家という印象。

素人探偵である主人公は、巻き込まれ型探偵というよりも、通りすがり探偵という位置づけでしかないので、読んでいて緊迫感に欠ける。主人公たちの明るいキャラが、事件の背景の重さやゲスト・キャラに勝ってしまってアンバランスになり、物語の中にどっぷりと浸ることができないのは難点かも。
いちばんの問題は、読み手にコージーを楽しむ姿勢がないことなのか?

wikiでコージーを調べると、国内では作例なし、近いものとして日常の謎がある、となっているが、本作に限れば、2時間ドラマでお馴染みのゆるめ、明るめの女性キャラが登場する旅情ミステリーなんかが似た存在だと思う。

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