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ミステリの祭典

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死の拙文
主婦探偵ジェーン

作家 ジル・チャーチル
出版日1995年12月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 ROM大臣
(2022/02/21 14:25登録)
いつも何かしら事件に巻き込まれ、持ち前の好奇心の強さから探偵役を買って出ることになる、未亡人にして主婦のジェーン・ジェフリイ。
身の回りで起こった殺人事件を主婦らしい日常生活に対する観察力と井戸端会議的な噂話を通じて解決していくというパターンも定着。プロット的にも及第点はつけられるだろう。文章も会話中心でテンポがよく、特にジェーンと隣人のジェフリイとのやり取りなど作者のウィットとユーモアのセンスが冴え渡り実に楽しい。
一定の軽さと品位とユーモアを保ちながら、大いなるマンネリズムへ道を究めてほしい。

No.1 5点
(2021/09/21 20:32登録)
主婦探偵ジェーン・ジェフリイのシリーズ第3作。今回のタイトル元ネタはもちろんアイラ・レヴィンですが、原題のQuiche(料理のキッシュ)に対し、邦題は元ネタ邦題との語呂合わせを優先して「拙文」。キッシュに毒が入っていたわけですので、邦題をどうするかは議論があったかもしれません。自分史作法の講座での事件ですから、「拙文」もありということでいいでしょうか。
毒殺事件の後、ジェーンに奇妙な贈り物が届けられてくるというのは、クイーンの『最後の一劇』等を想起させますが、クイーンでさえこの手のミッシング・リンクには不自然さを感じるのに、さらに説得力に欠けると思いました。それよりも本作の見どころは動機でしょう。被害者は意地悪ばあさんという可愛げのある表現にはあてはまらない非常に不愉快な人物ですが、それでも殺すだけの動機となると、すぐには見当たらず、なるほどねと思わせられました。

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