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ミステリの祭典

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ラスコの死角
クリス・パジェット

作家 リチャード・ノース・パタースン
出版日1981年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2013/06/09 18:25登録)
訳者あとがきでは、チャンドラーやロス・マクの伝統を受け継ぐという評価が載せられていますが、共通点は主人公の一人称形式ということぐらいのもので、内容的には全然違うでしょう。タイプとしてはいかにもベスト・セラー系のポリティカル・スリラーです。
主人公のクリス・パジェットの性格設定もクールなマーロウやアーチャーとは正反対にあまりに直情的で、勤めている経済犯罪対策委員会の中で人に噛みついてばかりいます。事件が大変なことになってきて慎重さを要求されるに至って、さすがに自制してきていますが、前半は少々うんざりするぐらいです。だからと言って作品そのものを批判しているわけではありません。この主人公の性格も、読み終えてみるとストーリーにうまく利用されていたことがわかります。最終章で一気に事件全体に鮮やかな決着をつけてくれて、爽快感もなかなかのものでした。

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