長い日曜日 |
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作家 | セバスチアン・ジャプリゾ |
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出版日 | 1994年11月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 7点 | ROM大臣 | |
(2021/10/05 14:15登録) 悲劇的な物語を描きながらも、かつてのような息の詰まるような綿密さはなく、どちらかといえば牧歌的な雰囲気の中、物語は淡々と進んでいく。とはいっても、五人の男をめぐった書簡や独白を通して、数奇な運命を辿ることになった彼らの人生が巧みに浮き彫りにされているため、十分に読み応えがある。他にも、映画と関わりの深いジャプリゾらしく、視覚に訴えるような場面が少なくなく、それが作品に厚みを与えている。作家としての余裕や円熟味を感じさせ、ファンの期待に応えてくれる佳作といえるだろう。 |
No.1 | 7点 | 空 | |
(2012/04/12 21:43登録) 『家族の行方』に続いて、ミステリと呼べるかどうか疑問な語り口の作品。謎解き的な興味は確かにありますし、調査によって真実が明らかにされるという構成になっています。しかしその謎は犯罪とは関係ありませんし(戦争を犯罪だと言うなら別ですが)、前知識なしに読み始めたら、誰でも純文学系作品だと思うでしょう。実際、本作が受賞したアンテラリエ賞とは、第1回(1930)をマルローの『王道』が受賞したという文学賞です。 まあジャプリゾと言えば、本作の前に書かれた『殺意の夏』はアジャーニ主演の映画を見ただけなのですが、少なくとも映画はミステリとは言えないような作りでしたしねえ。本作も『ロング・エンゲージメント』のタイトルで映画化されたことがあるそうです。オリジナル・タイトル直訳は小説・映画の邦題を合わせた「婚約の長い日曜日」。 会話が特に最初の方非常に少なく、決して読みやすいとは言えませんが、最後の感動はさすがです。 |