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ミステリの祭典

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浜名湖殺人事件
ルポライター浦上伸介

作家 津村秀介
出版日1990年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/08/21 22:41登録)
トラベル・ミステリと呼ぶには、地方の雰囲気が伝わってきません。やはりアリバイトリックの専門家による純粋なアリバイ崩しミステリです。
と言っても、構成に工夫は凝らされています。プロローグはどう見ても叙述トリックが仕掛けられているなとはわかるのですが、全体の2/3ぐらいのところに挟まれた(珍しい)ミドローグでなかなかうまく解説してくれます。ただしエピローグは、どうということもありません。
そのミドローグの前まででアリバイの前半は解明されてしまいますし、実際ありふれたトリックなのですが、犯行後の部分が時間的に無理だということになってくるのが、本作のポイントでしょう。この後半部分のトリックでは、珍しいものが使われているのですが、その使い方にもひねりが加えられていました。
犯行計画そのものが、そんな人目を引くことをしなくても、と思えるところはあるのですが、かなり楽しめました。

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