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ミステリの祭典

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山陰殺人事件
ルポライター浦上伸介

作家 津村秀介
出版日1984年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2017/12/03 15:36登録)
ルポライター浦上伸介シリーズ第1作だそうで、確かに彼はジャーナリストとしての腕はあっても、探偵役としてはまだ不慣れでもたついた感じがします。
タイトルの山陰が話に出てくるのは6割を過ぎてからです。最初に事件が起こるのは横浜で、2件の強姦未遂に続いて強姦殺人が2件、簡潔に紹介されます。その容疑者と見られる男が鳥取で殺されることになるという展開で、さらに浦上伸介がその記事を書きたがっている岡山の暴力団事件と、強姦殺人が関連してくることになります(このことは、早い段階で読者にだけは明かされるのですが、この事前説明はない方がいいでしょう)。そのようなプロットが本作の読みどころになっています。アリバイ崩し中心のものが多い作家ですが、本作ではアリバイは添え物です。『点と線』の時代じゃないんだから、すぐわかるでしょうというレベルで、時刻表に隠された列車や飛行機の意外な使い方もありません。

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