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ミステリの祭典

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密偵ファルコ/青銅の翳り
密偵ファルコ

作家 リンゼイ・デイヴィス
出版日1999年03月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2018/04/20 00:25登録)
密偵ファルコ・シリーズの第2作。
「古代ローマを舞台にしたハードボイルド風ミステリ」とは、巻末解説の冒頭に書かれていることですが、本作を読む限りではハードボイルドらしい冷たいストイックさや熱い憤りは全く感じられません。ファルコの、ちょっとしたことにも一喜一憂する子供っぽいような感情の起伏には、かなりうんざりさせられました。
時代小説的な点では、暴君ネロの作曲した音楽だとか、ローマン・コンクリートだとか、それにその近くの町が主要舞台となる、ヴェスヴィオ火山噴火で壊滅する8年前のポンペイだとか、いろいろおもしろいところはあるのですが。
ミステリ的には、ありふれた手ではあるのですが、途中にある意外性が仕掛けられています。しかし全体的な流れとしてはあまり効果的に使われていない気がします。主人公も悪役も、行動を冷静に追っていくと間抜けとしか思えず、今一つ楽しめませんでした。

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