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ミステリの祭典

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聖域の雀
修道士カドフェル

作家 エリス・ピーターズ
出版日1992年09月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 7点 nukkam
(2016/09/26 01:41登録)
(ネタバレなしです) 作中時代は1140年4月、カドフェルらが教会で祈りを捧げている所へ逃げ込んだ若者と彼を追ってなだれ込んだ群衆という場面で幕開けする1983年発表のカドフェルシリーズ第7作の本書では若い恋人たちが苦難を乗り越えていくという、このシリーズ定番の恋愛物語も描かれていますがそれ以上に印象的なのがオーリファーバー家で展開されるホームドラマです。P・D・ジェイムズのミステリーが「単なる謎解きではなく事件が登場人物に与えた影響やそれによって変わってしまった人生を描いている」とどこかで評されてましたが、本書はそれのピーターズ版と言えるのでは。謎解きとしてもシリーズ作品の中では上位にランクできる出来映えで、個人的にはシリーズ中トップ3のお気に入りです。

No.1 4点 mini
(2009/05/08 10:09登録)
前作「氷のなかの処女」は厳寒の真冬の話だったが、5月になって修道院周辺も政治的紛争が小休止して比較的平和な日が続いていた
「聖域の雀」はそんな時期に起きた地味な民間の事件を扱う
前作「氷のなかの処女」が戦闘シーンを満載した冒険活劇要素の強い話だったのに比べて、「聖域の雀」ではそんな派手な活劇場面は極めて少なく、読んだシリーズの中では最も普通の謎解き本格の趣である
まさに動の「氷のなかの処女」、静の「聖域の雀」だ
だからシリーズ中でも「聖域の雀」は、アクションシーンとか冒険小説要素がちょっとでも入るのを嫌がるような本格派しか読みません的な読者には合うと思う
しかしシリーズらしい魅力に欠け、私には全然面白く無かった、プロット上もちょっと終盤を引っ張り過ぎてるし
シリーズ中でもワースト3級のつまらなさだった

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