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ミステリの祭典

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魔性の馬

作家 ジョセフィン・テイ
出版日2003年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2020/02/03 22:41登録)
原題 “Brat Farrar” は主人公の名前です。巻末解説でも触れられていますが、冒頭部分は『太陽がいっぱい』を思わせます。と言っても、クレマン監督の映画は見ているものの原作小説は読んでいないのですが。本書の方がハイスミスより16年も早く発表されています。しかし、決して犯罪小説ではなく、謎解き要素がかなりあるのです。何といっても、ブラットがなりすました相手パトリックの8年前の「自殺」事件の真相が中心です。
まあ、その謎は簡単に推測がつきますし、さらにブラットについても、何となくこの人物と関係があるのではないかとは早い段階から思っていました。その意味で読者を驚かせる意外性にはとぼしいのですが、邦題の馬ティンバーの扱いも含め、サスペンスはなかなかのものです。ティンバーは重要な役割を果たすんじゃないかとも思っていたのですが、ただ比喩的な意味だけだったのが少々不満でしょうか。

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