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ミステリの祭典

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迷路
名無しの探偵

作家 ビル・プロンジーニ
出版日1987年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2016/10/16 07:45登録)
要するに3つの中編をつなぎあわせてテーマ的に統一し、長編に仕立てた作品です。原題 "Scattershot" の本作、訳者あとがきには、「あえて『迷路』と名づけた。シリーズ第五作の『死角』の原題名 "Labyrinth" と混同なさらぬように」と書かれていますが、直訳の「散弾」でもよかったのではないかと思えました。
その3つの話の内容ですが、かなり本格派寄りだけれども、とりあえずハードボイルドかなあ、という感じです。密室好きには喜ばれるかもしれません。監視された自動車の中からの被害者消失、ラティマーの『処刑6日前』と同じく他人を犯人に仕立て上げるための密室殺人および密室からの宝石盗難と、不可能犯罪ばかりなのです。トリックはまあそんなところかなといった程度です。ただ自動車の事件はもう一ひねりあるんじゃないかとも思ったのですが、それだと名無しの探偵さんざんな一週間というテーマが逆転してしまうかな。

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