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ミステリの祭典

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幸運の逆転

作家 エリザベス・チャップリン
出版日1994年10月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 4点 蟷螂の斧
(2016/02/19 10:39登録)
ジル・マゴーンの別名義とのことで拝読。名義が違うと、こんなにも作風が違ってしまうのかと変な感心。裏表紙でネタバレがあるので、途中までサスペンス感もないし退屈で仕方なかった。というより、登場する妻の心境が理解できないことが一番の苦痛。ラストのオチはブラック・ユーモア系で大好きなのですが・・・。短編にすべきだったのかも。

No.1 6点 こう
(2008/09/01 00:02登録)
 イギリス本格作家ジル・マゴーンの別名義のサスペンス作品です。
 夫は弁護士、妻は主婦でもうすぐ結婚25年という夫婦が描かれ、宝くじで妻が140万ポンドを当ててからの半年がかなりブラックに描写されています。
 妻は元々夫に経済的なことも含めて生活全てを抑えられ来ており、くじに当たって経済的に自立してから、精神的に自立し夫に復讐をしてゆきます。ほとんど家にいなくなり、夫の仕事も奪ってしまい、意図的に不便な家に移り住み、やがて夫は完璧な殺人事件を思い付き、というストーリーです。
 最後の真相は皮肉が利いていて面白いものでしたが夫、妻ともに考え方が共感しづらかったです。またこの作品は比較的あたらしく1993年作ですがいくら3億近く当たってもこれだけお金を使えるのかどうか疑問です。(イギリスの物価がわからないので何とも言えませんが)
 また夫妻ともに40代ということを踏まえてもストーリー上の性的な描写、行動もそぐわない感じがしました。これも作者のイギリス中~上流階層に対する皮肉なのかもしれませんが。
 細々とみられるブラックな作品としてそういう作品群が好きな方なら結末も含めて面白いかと思います。

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