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ミステリの祭典

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虚構の殺人者

作家 今野敏
出版日1990年02月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点
(2009/06/22 15:04登録)
安積警部補を中心とした警察内の人間模様がていねいに描かれています。キャラ的には、他シリーズの竜崎や樋口ほどの個性はありませんが、その分、心理描写がしっかりしていて、主人公の心情が細やかに表現されています(すこし鼻に付く感じもしますけど)。この種の書き方だと、「人間が描かれていない」なんて評価は、絶対にされないでしょう。小説修行を相当積んできたことがうかがえます。しかも、三人称一視点で、主人公の心理と、主人公の目を通した同僚たちの個性とが、一人称小説なみに十分に描かれているので、すぐに感情移入もできます。ミステリを書かかせるのがもったいない感じさえします。いやこういう作家だからこそ、すぐれたミステリが書けるのかもしれません。氏には謎解き中心の「本格物」も書いてほしいですね。ハードボイルドも面白いかもしれません。
ところで、肝心のミステリとしての本作の評価ですが、はっきりいってイマイチでした。謎の提起の仕方はよかったのですが、謎解きロジックにひねりがありません。あまりにもあっさりしていて、謎解きをするほどではありません。人間を描きすぎたことの代償でしょうか。連続ドラマを想定して書いたのでは、という気さえします。

No.1 7点 ひこうき雲
(2008/08/09 00:55登録)
安積班シリーズなじみのメンバーが登場し、他の作品同様今回もサクッと読めました。
今回の内容は、まあまあといったところです。

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