顔のない告発者 |
---|
作家 | ブリス・ペルマン |
---|---|
出版日 | 1985年05月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | nukkam | |
(2016/06/26 23:41登録) (ネタバレなしです) ブリス・ペルマン(1924-2004)はピエール・ダルシという別のペンネームもあり、50作以上のミステリーを書いたらしいのですが作品がほとんど翻訳されていないフランス作家です。1983年発表の本書は本格派推理小説と紹介されていますが、きっちり合理的な答えを用意している点は評価できますけど論理的な謎解きよりも心理サスペンスを書いた方が作風的に合っているような気がします。冒頭で提示された謎の魅力を膨らますような工夫がほとんどなく、人物描写も精彩がなくて前半はやや平凡です(創元推理文庫版が200ページ少々程度の厚さなので退屈するところまではいきませんが)。後半になるとようやく登場人物に性格づけがなされ、彼らの思惑や疑心が解決のきっかけになっていきますがほとんど物証のないままなので探偵役の推理に多くを期待してはいけません。(他作家による前例はありますが)ちょっと珍しい真相が印象的です。 |
No.1 | 5点 | こう | |
(2008/08/11 00:26登録) これも佐藤圭氏の「100冊の徹夜本」というガイド本で激賞されて読んだ作品です。 仲の悪い中年夫婦のうち夫が自宅にとどまり、妻のみが出席したパーティの帰り道、車の運転中事故に遭い即死する。 その後警察に匿名の投書が届き、警察が調べると車には細工が施されているのがわかって、というお話です。 ガイド本には「読者は絶対に犯人がわからない」「犯行のトリックに茫然自失する」と書いてあり、期待して読みすすめてゆきましたが結局小振りでした。 登場人物は少なく話も短いのでさっと読めますしまあまあ楽しめました。ただ確かに犯人はわかりませんでしたが、トリックも含めてさほど感心するものではなくだまされた爽快感が味わえる作品ではありません。 |