home

ミステリの祭典

login
囁く谺

作家 ミネット・ウォルターズ
出版日2002年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2019/06/03 23:42登録)
ウォルターズの第5作で中心となる事件は、浮浪者の餓死事件です。それが実は殺人だったというオチもなく、その意味では、雑誌記者がその裏事情を探索していく話は非常に地味です。開幕早々に挿入される本からの抜粋など構成に工夫は凝らしていますが、意外にスムーズに楽しく読んでいけました。途中、最後までその正体が明確に書かれない人物が登場するシーンが2か所出てきますが、これも最後まで読めば、推測は簡単につきます。
登場人物たちの描き方もさすがですし、最後近くまでは非常に満足できる内容だったのです。ただ最初に死体を発見するミス・パウエルの人物像だけは、この作者にしては今一つはっきりしないかなとは思っていたのですが。
で、最後上記謎の人物以外はすべて説明される部分に突入するわけですが、ここは記者の憶測が大部分で、特に意外というわけでもなく、多少不満は残ってしまいました。

1レコード表示中です 書評