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ミステリの祭典

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地球人類最後の事件
松浦純菜・八木剛士シリーズ

作家 浦賀和宏
出版日2008年07月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2019/04/30 22:22登録)
世界中から見捨てられ、愛してくれる人などいない。孤独な高校生・八木剛士が持つ唯一の武器―それは敵弾にも倒れない不死身の力だった。この力をきっかけに出会った謎の美少女・松浦純菜へ抱いた初めての恋心。しかし彼の激しい被害妄想によって二人の絆は修復不可能に…。不幸のどん底に落とされた剛士を襲う、さらなる事件とは。
『BOOK』データベースより。

どうなんですかね、これ。流石に水増し感が半端ないと言いますか。リフレインと堂々巡り。正直くどいです。特に八木の己の容貌の醜さと、女に対する感情、どうしようもないリビドーなどが繰り返し綴られ、シリーズの他作品と同じ心理描写が食傷気味です。
一方、スナイパーに関する内情や組織は提示されますが、肝心の「なぜ八木が狙われるのか」が未だ判然とせずすっきりしません。ダラダラとした展開でいい加減うんざりしているところ、最後に話が急変します。次作が最終巻となるわけですが、一体どのような結末を迎えるのか、不安しかありません。

作品の出来不出来の差が激しいと言われる作者ですが、ここに来てあの日古書店でずらりと並んでいた浦賀和宏の名前の誘惑に負けて、本シリーズを置いてあるだけ総て購入したことが正しかったのか間違いだったのか、悩むところです。これまではそれほど悪くは思いませんでしたが、本作だけはちょっといただけませんね。完全にタイトル負けしていますし、内容はともかく次を読まざるを得ないような構造になっているあざとさも悪質と思えてなりません。最終巻に期待するしかありませんね。

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