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ミステリの祭典

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ベネチアングラスの謎
霞田兄妹シリーズ

作家 太田忠司
出版日2000年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2019/02/23 09:43登録)
8編が収録された霞田兄妹シリーズの短編集。
表題作を始め、最初の4編は、作り物めいた印象があまり好きになれません。作者の好きなクイーンだって作り物ではないかと言われそうですが、この作者の場合、軽い文章がその感じを強めているのではないかと思われます。割れたベネチアングラスなど手がかりの出し方も、もっと精密な描写で、その意味を読者に考えさせるようにした方が、謎解きのコクが増すのではないでしょうか。
気に入ったのは『マリッジ・ブルー』と『四角い悪夢』で、変に容疑者を増やしたりせず短編らしいシンプルな謎になっているのがいいと思いました。『紫陽花の家』はトリックがめんどくさいのが難。『ウィザウト・ユー』は「日記」を読んで、これは叙述トリックではないかと勘違いしてしまいました。霞田志郎のリアクションは大げさすぎです。これ、殺人罪で起訴できないでしょう。

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