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ミステリの祭典

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賢者はベンチで思索する
久里子シリーズ

作家 近藤史恵
出版日2005年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/10/27 10:08登録)
3編の連作中編集というべきでしょうし、明らかに別作品だからこその重複表現も見られますが、目次では第一章~第三章となっています。
服飾関係の専門学校を卒業後近くのファミレスでアルバイトをしている久里子と、そのファミレスの常連である国枝老人の物語で、もちろん国枝老人が一応は名探偵役約。一応と言うのは、第三章を読み始めてすぐ、これは高木彬光も長編でひねって使っていた海外古典本格派短編シリーズの発想を下敷きにしているなと思ったからです。こちらも、その古典のアイディアをそのまま使うはずはありません。
ただし、謎解き的要素はたいしたことはありません。第二章ではハウダニット要素もありますが、ホワイダニット中心で、犬殺し、食品への異物混入、営利目的と思えない誘拐が扱われています。久里子の家族生活や恋など、ほのぼのした感じが心地よい作品でした。

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