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ミステリの祭典

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影の肖像

作家 北川歩実
出版日2000年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/09/30 23:06登録)
性別さえ明かしていない覆面作家が今回選んだテーマはクローン。作中の『クローン人間が生まれた日』という小説が、ある意味殺人事件を引き起こす元になっていると言っていいでしょう。どんな意味でかを書くのはネタばらし気味になるので、やめておきますが。それに白血病治療のための骨髄移植を絡めた話です。
少しずつ修正しながら過去の秘密を明かしていく手順は、ただもったいぶって手の内を小出しにしているだけに思えて、あまり印象はよくないのですが、終盤になってその秘密の大部分が明らかにされてきてからは、なかなかサスペンスフルな展開になります。最終的な過去の真相は、クローンなど持ち出さなくてもよい説得力のあるものになっていますが、伏線があったわけではありません。またどんでん返しは意外なのはいいのですが、最後の展開が少々無理やりな感じがしました。

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