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ミステリの祭典

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爆発的 七つの箱の死
綾鹿市シリーズ

作家 鳥飼否宇
出版日2008年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2023/11/17 22:09登録)
綾鹿市の大物実業家・日暮百人は、引退生活を送るにあたり、奇妙な私設美術館を建てさせた。
館内に気鋭の現代芸術家六人がそれぞれのアトリエを構え、その美術館に展示する作品を創作する。
日暮と、その友人であり美術評論家の樒木侃だけが作品を鑑賞できるのだ。
しかし、最先端をいくあまり、狂気すら漂わす彼らの芸術に触発されたのか、美術館では、奇想天外な殺人が次々と起こる。
Amazon内容紹介より。

美術館に集められた奇矯な芸術家達が巻き起こす奇妙な殺人事件と、その先鋭的な芸術論に裏打ちされた不可思議な言動と作品。綾鹿市の刑事コンビと普通の探偵星野万太郎がそれらの謎に挑む連作短編集。
ですが、はっきり言って芸術やその制作に関する記述は全く面白味がありません。文章があまり上手くないせいなのか、私がそうしたものに対して興味がないせいか分かりませんが、判りづらく退屈です。

そんな中にあって第三話の、捻りの効いた双子トリックが光りますし、短編で終わらせるのが勿体ない様な逸品だと感じました。
他は全体的に事件が起こるまで、いや事件が起こってもそれ程面白くありませんが、何故か真相が明らかになるシーンだけは生き生きしていますね。そこまで奇を衒ったトリックがある訳でもなく、動機も説得力がありませんけれど、終わってみれば何となく納得させられるのが癪に障ります。まあまあですね、それ以外に感想はありません。

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