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ミステリの祭典

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絹の変容

作家 篠田節子
出版日1991年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2008/06/09 11:13登録)
篠田節子デビュー作。たった200ページにも満たないパニック小説であるが、中身は薄っぺらな物ではなく、仕上がりは堅実。

品種改良した蚕が人間を襲うパニックの経過を発端から結末―もちろんこういうパニック小説のセオリーともいうべき、最後に一抹の不安を抱かせる結末はきちんと用意されている―まできちんと描いているのに好感が持てる。
突然変異とかで片付けなく、きちんと読者にも怪物が生まれていく様子が納得できる。

ただ冗長な作品も困るけど、あまりにコンパクトに纏めすぎて味わいが薄く感じるのも確か。贅沢な要求かもしれないが。

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