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ミステリの祭典

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炎に絵を

作家 陳舜臣
出版日1966年01月
平均点7.76点
書評数21人

No.1 10点 こう
(2008/06/08 20:47登録)
 今はミステリから離れてしまった陳舜臣最大傑作だと思います。
 年離れた異母兄から病死の間際に辛亥革命の資金横領したという父の汚名をはらしてほしい、といわれた主人公の弟が捜索をはじめたが、というストーリーです。
 40年以上前の作品で更に過去(1910年代)を探る話なので古さはどうしようもありませんが長さも手頃で非常に面白かったです。真相が暴かれたあとの最後にわかる「炎に絵を」、という意味が今では普通ですが40年以上前発表当初は衝撃だったと思います。
 主人公は神戸にたまたま転勤し転勤先の神戸で捜索しますが「神戸に転勤すること」は偶然でありもし転勤しなかったらトリックが成立しない点、また主人公が一旦真相を突き止める場面も明らかな偶然でありストーリー自体は蓋然性は低いです。また過去の戦争前後の話であるから成立する話で現代ではストーリー自体が成立しません。
 またサイドストーリーの産業スパイの話も不要かなと思います。
 ただそれらを踏まえても傑作だと思います。

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