煙草屋の密室 |
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作家 | ピーター・ラヴゼイ |
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出版日 | 1990年02月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2021/12/21 23:50登録) 表題作等全16編を収録、全体で400ページ弱なので、だいたい短めの作品ばかりです。 ラヴゼイというと謎解き系の作家のイメージが強いかと思われますが、この短編集はいわゆるパズラー系の物は全くありません。最終的にパズラー的なオチのあるものは、多少ありますが。 その1つ、原題ではこの作品が表題作に採用されている『肉屋』は、奇妙な味と見せかけて、最後に納得のいく(フェアプレーについては弱いですけど)真相を明かしてみせる作品です。ストーリー展開はともかく真相だけなら本当にパズラー系と言えるのが、『パパに話したの?』。『アラベラの回答』はあいまいすぎて意味がよくわかりませんでした。最後の邦訳表題作は、なるほどと感心していたら最後に連続どんでん返しで、巻末解説では「皮肉がこめられている」と書かれていましたが、むしろ悲しさ、むなしさの漂う結末だと思えました。 |