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ミステリの祭典

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私立探偵飛鳥井シリーズ

作家 笠井潔
出版日2003年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2020/03/13 22:31登録)
この私立探偵飛鳥井シリーズ3冊目は、2冊目の短編集『道』と同じく漢字1文字タイトルですが、今回はサブ・タイトルも付いていません。2編の中編からなっていますが、どちらも直接的にはセラピストの鷺沼晶子から依頼を受けるというだけでなく、季節も真冬、年末から年始にかけての事件という点でも共通しています。前作から期待していたとおり、ロス・マクドナルド後期風の作品で、冬がハードボイルドな雰囲気に似合っているように思えますが、特に『痩身の魔』が印象深く感じられました。
もともと3部作の予定だったのが、3編目の構想が膨張しすぎたため、2編だけで刊行したことが、巻末の作者自身のエッセイ『私立探偵小説と本格探偵小説』の中で説明されています。さらに佳多山大地による笠井潔論、笠井潔スペシャル・インタビュー、著作リストと、3編目の埋め合わせのつもりもあったのか、資料的な部分が充実しています。

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